佐久穂町のドッグラン 犬も人もご満悦~ゆず子と 年季中父ちゃんの小噺〜

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 (扇子をパンと叩き、顔を上げて)
 「えー、皆様、本日はようこそおいでなすった。ご機嫌ようさんでございます。さて、本日は、わたくしが4月に、うちのワンコ連れて出かけました、とある道の駅での出来事を、一席申し上げます。どうぞ、最後までお付き合い願います。」

 (一呼吸置いて)


 「わたくし、昔っからの夢がありましてね、それは犬を飼うこと、てなもんでございます。運良く、それが達成しますとワンコが一歳になる頃いっしょに旅に出てみたいと欲が出てまいりました。心配性の嫁の提案もあり、その前に家の外のことに慣れさせてあげたいと意見が一致。ちょうどええ具合に耳にしたんが、長野は八千穂高原の道の駅。なんでも、高原の空気が澄み渡って、心が洗われるような場所やて。地元の美味しいもんがずらりと並んで、ええもんも食べられる、ドッグランもあると聞いたら、これはもう、行くっきゃないでしょ?」

 (少し間を開けて) 

「早速ワンコのゆず子を車に乗せて、いざ佐久穂町へ!道中、緑豊かな山々眺めて、ええ景色に心躍らせながら、やっとこさ着きましたで、道の駅。いやはや、なかなかの賑わいですわ。人はわんさかおるし、土産物はぎょうさん並んどるし、レストランからはええ匂いしてくるし。けど、わたくしの目当てはただ一つ。そう、ドッグランでございます。」

「道の駅の駐車場右手に回りゃあ、でっかいドッグランの看板がおましたんや。そこには広々とした空間が広がってましてな、まるで秘密基地みたいやないか。入り口には、利用規約が丁寧に書いてありましてね、そこはちゃんと読んで、いざ、中へ。」 

(声色を変え、少し弾んだ調子で)

 「おや、嬉しいことに、このドッグラン、気が利いとるがな。小型犬エリアと、全犬種エリアに分かれてるやないですか。わたくしのゆず子は、体は小さいし、心はほんまに臆病。普段から小さな犬にもワンワン吠えながら尻込みしてる性格やから、『全犬種エリアで、ひと暴れしたろか』なんて、夢のまた夢。安全第一ちゅうことで、小型犬エリアへと連れて行きましたわ。」

ゆず子:「なぁ父ちゃん、私、あっち(全犬種エリア)行きたかったなぁ。大きいお兄ちゃんたちと、ごっつんこしたかったのに!」

父ちゃん:「おいおい、ゆず子!お前、体ちっこいから油断すんなよ。あっち行ったら、お前がごっつんこされる番やで。父ちゃん、ヒヤヒヤもんでっせ!誰もいない時にしよな。」

「と、まあ、こんな会話があったとか、なかったとか。さて、その小型犬エリアも、なかなかの広さでございます。、早速リード外したら、もう待てませんとばかりに、全身で喜びを表して、風のように駆け出していくやないですか!」

(手振りも交え、犬の動きを表現する)

「普段の散歩では、ちょこまか歩くだけでございますが、この時ばかりは、まるで弾丸みたいに、縦横無尽に走り回る。時にはぴたりと止まって、くんくんと地面の匂い嗅いだり、はたまた、くるりと跳ね上がってみたり。ああ、これこそが自由ちゅうもんでしょうか。見てるこっちも、ほんまに、清々しい気持ちになるんでございますわ。」

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(少し笑いを誘うように)

「しばらくしたら、同じく小型犬連れたご家族がいらっしゃいました。するとどうでしょう。そのご家族のワンコが、仲良くしよ、と近づいて来てくれましたが、うちのゆず子は例の如く逃げ出す始末。(父ちゃんがいけないんかな、普段、一人遊びばっかりさせてるから他のワンコを敬遠してしまうんかな、飼い主失格や。なんとかせなあかん。なんてことも考える父ちゃん。)

飼い主さん同士はというと、犬ちゅう共通の話題があるから、すぐに打ち解けて、愛犬の様子や、日頃のいたずら話なんかに花が咲く。これもまた、ドッグランならではのええ縁ちゅうもんでございましょうな。」

「全犬種エリアも体験しましたで。誰もいなくなった時を見計らって潜入。小型犬エリアとくらべると体感的には広さが倍以上?ある感じ。そこでも疾走するゆず子。父ちゃんは休憩や。」

「ドッグランの中には、休憩用のベンチもありますねん。わたくしも、うちのワンコが元気に走り回る姿眺めながら、持ってきたおやつを少々つまんで、水分補給なんかしとったら、ゆったりとした時間過ごせましたわ。ああ、なんて贅沢なひとときか。」

父ちゃん:「ゆず子、ちょっと休憩するか?ほら、水飲みや。父ちゃんはおやつをちょっとつまませてもらうな。」

ゆず子:「ずるーい!父ちゃんばっかり!」

(しんみりと)

「ふと、気がついたら、あっという間に時間過ぎてましたわ。うちのワンコは、まだまだ遊び足りひんみたいやけど、泣く泣く、帰る時間ちゅうことになりまして、名残惜しそうにドッグランを後にしました。帰り道、車に乗せリード繋いだら、ゆず子はぐっすり眠って…ない。興奮して来る時より暴れてます。ほんまに、どこでそんな体力が湧いてくるんだか…まあ、元気で何よりやけどな。」精一杯遊ぶ姿見ることができて、喜ぶ父ちゃん。

『ああ、今日、佐久穂まで足運んで、ほんまに良かった』と、心から思った次第でございます。」

(再び扇子をパンと叩き、笑顔で)

「八千穂高原の道の駅のドッグランは、自然の中で愛犬と安心して遊べる、ほんまにお勧めの場所でございます。小型犬と全犬種のエリアが分かれてるから、どんなワンコでも安心して遊べますし、他のワンコや飼い主さんとの交流も楽しめる。まさに、犬も人もご満悦。ドライブの途中に立ち寄るもよし、じっくり時間かけて訪れるもよし。次回はもうちょっと長い時間、この佐久穂の地で過ごしたいと、強く思っとります。」

「さて、こうしてうちのワンコとの素敵な思い出がまた一つ増えたんでございますが、家に帰って、わたくし、ふと気づいたことがございましてな。」

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(少し間を開け、顔をすっと上げて)

「ドッグランで、わたくしのゆず子があれほど夢中で走り回ってたいうのに、家に帰っても、ゆず子はオモチャをくわえて遊ぼう、遊ぼうとおねだりやないですか!これにはわたくし、思わず、『おいおい、ドッグランで走り回って、エネルギー使い果たしたんちゃうんかい!家でまた暴れるかいっ!』と、心の中でツッコミ入れた次第でございます。」   

ゆず子:「ねぇ父ちゃん、また連れて行ってくれる?今度はもっと長い時間いたいな!」ゆず子の瞳はキラキラと輝いております。父ちゃんも大きく頷いて、瞳をキラキラさせて、

父ちゃん:「もちろん、また連れて行ってやるよ!でもな、ゆず子。一つだけ父ちゃんからお願いがある。」ゆず子、首をかしげ、

ゆず子:「なあに?」

父ちゃん:「次に道の駅八千穂に行く時は…道の駅のショップで売っとるケーキ。あれ、めっちゃ美味そうやったんや。ドッグランで遊び疲れて、完全に買い忘れたから、次回は絶対に買わせてくれ!」これにはゆず子、呆れてポカン。そして一言。

ゆず子:「えー!何いってんの年季中でしょ!その腹なんとかせぇ!私のドッグランの思い出に、ありえないからねー!!」と、ゆず子。

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(扇子を閉じ、高座を叩く)

父ちゃん:「(独り言のように)ほんまに、どこでそんな言葉覚えたんだか…だんだん嫁はんに似てきとるわ。」

ゆず子:「ふがー、ふがー…(いびき)」

父ちゃん:「寝たふりかい!(小声で)でも、楽しかったんならよ                   かったな。」

ゆず子:「(オモチャをくわえたまま寝言が始まる)

    ワンワン…(夢の中でも走っている様子)

    ケーキはもう食べれません。」

父ちゃん:え〜?

(扇子をパンと叩き、締めの言葉)

「おあとがよろしいようで。」

あなたのお気に入りドッグランを教えて下さい。

八千穂の道の駅 ドッグラン情報

場所: 長野県佐久穂町八千穂

利用料金: 無料

: 小型犬エリア・全犬種エリア

設備: ベンチ、足洗い場

利用上の注意:

狂犬病予防接種済みの犬であること

鑑札を着用していること

ヒート中の犬は利用不可

その他、道の駅の指示に従うこと

詳しくは八千穂高原道の駅までお問い合わせ下さい。

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